【受験数学】青チャート vs フォーカスゴールド徹底比較!最適な選び方と使い方をプロが解説
今まで2,000人以上の学習指導と過去10年で100人以上の医学部進学者を指導してきたラムス予備校塾長の渡辺です。
数学の網羅系参考書といえば、青チャートとフォーカスゴールドが最も有名で、常に比較の対象となります。実際、「うちの学校はフォーカスゴールドだけど青チャートの方がいいのか?」「フォーカスゴールドは難しいと聞くけど本当に自分に合っているのか?」といった両者の違いに関する相談は数多く寄せられています。
ここでは、青チャートとフォーカスゴールドとの違いを、今まで2,000人以上教えてきた私が徹底解説し、あなたのレベルや目的に合わせた最適な使い方を具体的にご紹介します。
目次
まず大前提!参考書選びで最も大切なこと
ネット上を見てみると、「フォーカスゴールドの方が難しい」という結論が多いです。そのため、フォーカスゴールドが学校で採用されているけれども、「青チャートの方がいいのでは」と考えて青チャートを並行して学習しようとする人も少なくありません。
しかし、そもそも網羅系参考書というのは量が多いため、両方やるのは現実的ではありません。特に苦手な人にとって両方やるのは負担が多すぎます。
どちらにしても、網羅系参考書に関しては、あなたが持っている、もしくは学校で採用されている、その1冊を徹底的にやり切ることを大前提としましょう。
フォーカスゴールドの執筆者である竹内先生も、「大切なのは1冊をしっかりやり切ること」だと繰り返し強調しています。
青チャートとフォーカスゴールドの基本構成と例題数の違い

網羅系参考書は、それぞれの分野の定石(基礎となるもの)から、入試レベルの応用問題や実践問題までたくさん詰まっていますが、基本的にはその分野の定石となる例題の数で比べるのが最も適当です。レベルが上の演習は、別の問題集で行うパターンが多いからです。
まず、数I・Aから数III・Cまでを含めた例題の合計数を比較します。
青チャートの例題の合計数は1,100題です。
一方、フォーカスゴールドの例題自体の数は1,066題であり、青チャートと例題数に大きな大差はありません。しかし、フォーカスゴールドには例題とは別に、その例題の「もっと基本事項」として「Check(チェック)」という問題がついており、Checkまで含めた合計数は1,336題となります。
このCheckこそが、フォーカスゴールドを使う上で最も重要な要素の一つです。Checkには本当に基本的な問題が多く入っています。、フォーカスゴールドの難易度はアスタリスク(1〜4)の4段階で示されて、Checkはアスタリスク1のものがほとんどです。青チャートはコンパス(1〜5)で示されていますが、青チャートでいうと、本来「基本例題」(コンパス3まで)として基礎固めのためにやるべき内容の一部が、フォーカスゴールドでは例題の前のCheckに含まれていることがあります。
フォーカスゴールドに取り組む場合、特に数学が苦手な方が、見開きで見やすい例題からいきなり取り組んでしまうと、本来Checkで学ぶべき基本事項や基本的な処理が抜けたまま難しい問題にトライすることになりかねません。そのため、フォーカスゴールドを使う場合は、苦手な人ほどCheckを忘れずにやり遂げることが、基礎固めの生命線となります。Checkの内容やアスタリスク1もわからない場合は、教科書やマセマ出版の「初めから始める数学」シリーズなどを使って、より基本的な内容からしっかり復習することが推奨されます。

難易度と構成の違い
両参考書は、難易度を段階的に示していますが、その構成に大きな違いがあります。
青チャートの難易度設定と構成
青チャートの例題は、「基本例題」「重要例題」「演習例題」という3つの種類に明確に分かれており、難易度はコンパス(1〜5)で示されています。
この構成の最大の利点は、学習の目的とレベルが明確に分離されている点です。
- 基本例題はコンパス3までが含まれ、大体教科書(例題から章末問題まで)の内容を網羅しています。この基本例題までをしっかりやると、定期テストの対策や本当に基本的な定石を固めるのに適しています。
- これに対し、重要例題や演習例題(コンパス3〜5)は入試で問われるようなより難しめの内容を扱います。重要例題が「基本例題よりも難易度の高い、その分野で学ぶ重要手法」である一方、演習例題は「単一の分野ではなく、そこまで習った別の分野の知識も使う」横断的な問題が多く、より難易度が高い傾向があります。
- 実際、医学部進学者が多い名古屋有名私立校の東海高校では、定期テストのテスト範囲(→基本例題まで)、実力テストの範囲(→基本例題+重要例題や演習例題まで)と明確に分かれています。
この3つの明確な区分けがあるため、青チャートは「基礎固め」と「応用演習」の段階を把握しやすいのが特徴です。
フォーカスゴールドの難易度設定と構成
フォーカスゴールドでは、各例題の難易度がアスタリスク(*)1〜4の4段階で示されています。青チャートと比べ、フォーカスゴールドの難易度設定は以下の点で複雑性と明確性の両方を持っています。
- Checkの存在(基礎固めの特殊性):例題の前に「Check」という基本的な問題がついており、アスタリスク1のものがほとんどです。青チャートの基本例題レベルの内容の一部がこのCheckに含まれているため、特に苦手な人はCheckから取り組むことが必須となります。
- 明確な偏差値目標:フォーカスゴールドは、アスタリスクの数によっておおよその偏差値の到達目標を明確に示してくれているのが大きな特徴です。例えば、アスタリスク2までを8割で偏差値50~55、アスタリスク3までを8割で偏差値60~65が目指せるとされています。

- 難易度判断のズレ:最大の注意点は、青チャートで区別されていたレベルが、フォーカスゴールドでは一つのレベルに集中している点です。特にフォーカスゴールドのアスタリスク3には、青チャートの基本例題の難しめのもの(コンパス3)と、重要例題のよくあるもの(コンパス4)が混ざっているため、同じアスタリスク3だとしても難易度にバラつきがあります。この混在が、苦手な人にとっての挫折ポイントになりやすく、フォーカスゴールドが難しいと言われる理由の一つとなっています。
レベル別・最適な進め方
自分の数学の習熟度に合わせて、取り組むべき範囲を明確にすることが、1冊をやり切る上で重要です。
数学が苦手な人の使い方(基礎固め)
苦手な人は、定石の習得に集中し、まずは基本的な問題を完璧にすることを目標とします。
- 青チャートを用いる場合
基本例題だけをしっかりやるのが効果的です。 - フォーカスゴールドを用いる場合
必ずCheckとアスタリスク2までをしっかりやり遂げることが必須です。アスタリスク3に入ると急に難易度の高い問題(青チャートの重要例題レベルのもの)が混ざってくるため、全てを闇雲にやろうとすると挫折の原因になります。そのため、アスタリスク3に進む際は、学校や塾の先生に優先的にやるべき問題を選んでもらうのが良いでしょう。
数学が得意な人の使い方(応用力強化)
- 青チャートを用いる場合
コンパス3以上の問題を、基本例題、重要例題、演習例題の区別なく選んで取り組む方法があります。また、各章の最初にある「基本定着コース」「精選速習コース」「実力錬成コース」といった「SELECT STUDY」を利用し、自分の状況に合わせた問題を選ぶことも可能です。

- フォーカスゴールドを用いる場合
まずアスタリスク2と3をすべて取り組みます。苦手な人と異なり、アスタリスク3は全て取り組んで問題ありません。その上で、余裕があればアスタリスク4まで進めるのが推奨されます。
解説の丁寧さとコラムの違い
解説の丁寧さと補足事項
フォーカスゴールドは、執筆者である竹内先生が「自学自習ができる参考書兼問題集」を目指して作成した経緯があり、解説が丁寧に書かれている傾向があります。例えば、二次関数の軸による場合分けの重要問題に対して、解説に2ページを割いたのはフォーカスゴールドが最初であったとされています。ただし、この丁寧さを活かすためには、生徒側が解答を読み込んで考える習慣を持つことが不可欠です。
また、例題の補足事項にも違いがあります。青チャートの例題下部にある「検討」は、例題の内容にプラスアルファで発展的な内容が書かれていることが多いため、読まないよりは読んだ方が良いですが、やや発展的な内容であることから、基礎定着のための必須事項ではありません。そのため、絶対に取り組むべきだと思う必要はない、という位置づけです。一方、フォーカスゴールドの例題最後にある「Focus」は、その問題の要所やポイントが再度まとめられているため、自分がポイントを学べたかを確認する意味で、必ず読むべき部分です。
コラムの内容
両参考書とも数学的な内容に直結したコラムがありますが、フォーカスゴールドのコラム(コーヒーブレイクなど)には、「数学は暗記科目か?」「定期考査の勉強法」といった勉強法に関する内容が多く扱われているのが特徴です。自学自習を助ける意図が伺えるこれらの勉強法に関する記述は、ぜひ読んでほしいポイントです。
まとめ:究極の選択は「個別最適な計画」にあり
青チャートとフォーカスゴールドは、それぞれに良さと特徴がありますが、究極的にはその生徒の志望校、性格、現在の成績によって最適な選択や進め方は異なります。
しかし、自分で「何を・どの順番で・どれくらい」やるかを決めるのは、実は一番むずかしいところです。
ラムス予備校では、今の成績・志望校・科目バランスを見て、あなた専用の勉強の進め方を一緒に決めていきます。 カリキュラムを配るだけでなく、「進め方」を伴走するので、1人で挫折しにくくなります。
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